KAYOLOG

野口整体的子育て・仕事・日常のこと

父の記録③カテーテル手術

115日(金)

 

父が既に心筋梗塞を起こしてたらしいと

 

母からの電話で聞いた時

 

最初「えっ!?」となったけど

 

母の声は楽観的で

 

カテーテルしたら治るって言ってたから

 

そんなもんなんや〜

 

もう既に心筋梗塞起こしてても

 

生きてるんや、人間の体ってすごいんやな

 

逆にお父さんすごいなぁくらい

 

ほんとにのんびり構えてた。

 

のんびりしてるのは家系なのか

 

次の日から

 

夕飯作らなくてラッキー!と言ってた母も

 

私と同じように

 

すぐに良くなると信じて

 

カテーテル手術に父を送り出した。

 

カテーテル手術はすぐ終わり

 

入院生活中の服やら何やら

 

いろんな荷物の準備がある母は

 

病院から電動の髭剃りを持ってきてほしいと頼まれ

 

家にある電動の髭剃りの場所を父に聞いて話した。

 

そんな呑気な会話が今思えば

 

母が元気な父と話した最後の会話だった

 

116日(土)

 

金曜日、検査のあと

 

すぐに手術=入院となったので

 

何にも荷物を持ってきてなかった母は

 

父の入院準備をして

 

服やら電動歯磨きやらをたくさん病院に持って行った。

 

コロナの時期もあり

 

受け渡しはもちろん看護師さんへ。

 

私はというと

 

心配はしていたものの

 

母の楽観的な電話のこともあり

 

きっとまた元気な父に会えると

 

そこまで深く考えてなかった。

(考えたくないようにしていただけかもしれない)

 

こんなことは歳をとればよくあることで

 

少し入院してすぐに退院するものだとばかり思ってた。

 

日中の仕事を済ませて

 

夕方、太郎を迎えに車で保育園に向かう。


保育園の玄関をでて、

 

車のエンジンをかける。

 

走り出してすぐに母からの電話。

 

嫌な予感がして信号待ちしながらすぐに電話を取った。

 

いつも明るく気丈な母が

 

電話で黙ってるなんてことほぼありえない。

 

(泣いてる・・・)

 

母「・・・・ッく・・」

 

私「どうしたん?なに!」

 

母「お父さん、術後に不整脈の合併症起こして、危ないって。先生が家族呼んでって・・・」

 

私「わかった。すぐに行く」

 

嘘でしょ、いやだ。

待って。

まだ何もしてない。

何も返せてない。

逝かないで。

 

まったく信じられない気持ちと

 

いろんな感情がぐちゃぐちゃになる。

 

涙が溢れる。

 

 

太郎「ママ、どうしたん?」

 

私「おじいちゃん病気やから、ママ急いで病院行かなあかん。C君のとこで待っててくれる?」

太郎「うん、わかったよ」

 

いつもの私じゃないことを察してか

 

妙に素直にいうことを聞いてくれた

 

・・・いつの間にこんなに成長したんだろう( ;  ; 

 

 

幸いにも入院している病院は近くて

 

家から車で10分。

 

でも太郎は連れていけない。

 

急いで仲良しのママ友に電話をして

 

太郎を預かってもらうようお願いした。

 

その後、すぐに夫K君に電話する

 

仕事終わったら

 

Rちゃんのところにいる太郎を

 

迎えに行ってほしい旨を伝える。

 

病院まで道中、Rちゃんの家の前を通るので

 

そこで太郎を降ろして急いで病院へ向かった。

 

迷路みたいな病院の廊下を小走りに

 

ようやく父のいるICUの病棟にたどり着いた。

 

母は涙を堪えて

 

父の姉、つまり私のおばさんに

 

病院に来るように電話をしていた。

 

まだ父には会えない。

 

母曰く

 

術後の合併症として

 

「致死性の不整脈心室細動)」を起こしたとのこと。

 

致死性の不整脈

 

心室細動

 

何それ?

 

何にも知らない私たちには全くよくわからない

 

ただ致死性と聞いただけで

 

単なる不整脈じゃないことだけは理解した。

 

おばさんが病院に到着して

 

面会が許された。

 

これが最後じゃないよね。

大丈夫だよね。

これから元気になるんだよね。

 

祈りながら病室に入った。